不動産

不動産を巡るトラブルは、多くの方が経験するトラブルの類型の1つです。

一般の方にとっては賃貸マンションの家主様・オーナー様とのトラブル、持ち家の購入に関するトラブルが最も一般的です。
逆に、複数の物件をお持ちの家主様・オーナー様の場合、不動産のトラブルに遭遇される確率は高くなります。
また、会社経営をされている場合は、事務所や工場、店舗、倉庫などを購入されたり、賃貸されるケースも多くなります。

例えば、不動産を賃貸している場合、修繕が発生した際に「オーナーがその費用を負担するのか、或いは賃借人が負担するのか」という問題が発生した際は、賃貸借契約書の修繕に関する条項がどのように記載されているかが極めて重要になります。もちろん、その解釈を巡ってトラブルになることも多々あります。

このようなトラブルが発生した際には、直接相手方とやり取りされる前に、弁護士に相談し、契約書がどのようになっているか、法律の専門家の解釈はどうか、というアドバイスを受けた上で対応されることをお奨めします。

また、当事務所は農地に関する法律相談や、不動産の相続に関するご相談も多数経験しておりますので、お困りのことがございましたら、ご相談ください。

賃料回収

不動産オーナーの方、保証会社の方にとっては、空室問題と共に重要な問題だと思います。

賃料の回収は、債権回収に分類されますが、通常の債権回収とは異なる点として、すぐに対応をしないと「債権額が増加する可能性が高い」という点があります。また、多くの場合、ローンを組んで購入されていますので、「資金繰りを大幅に悪化させる」という点も特徴的であり、深刻です。

そのため、1ヶ月でも滞納がされてしまった場合、借主の状況にもよりますが、不動産分野に詳しい弁護士にご相談をして頂き、すぐに動けるような状況にしておくことで、被害を最小限にすることができます。今までの経験からいえることは、賃料が1ヶ月でも滞納されてしまった場合、その後も賃料が支払われないケースが半数以上ですので、できるだけ早い段階で専門家に相談することが最善の策だといえます。

専門家に相談せず、賃貸人が強硬手段に出ることで、逆に借主から損害賠償を請求されてしまう危険もありますので、慎重にかつ迅速に対応する必要があります。

賃料回収には、下記のように複数の方法がございますので、ご検討下さい。

1)内容証明郵便の送付

まずは賃料不払いに関する内容証明郵便を送付し、支払いを求めます。正式な書面で働きかけることで、相手に圧力を掛けることができます。

2)保証人に請求する

賃貸人から賃料が支払われない場合には、保証人に対して賃料を請求します。賃貸人からの回収が困難な場合には、保証人に支払い義務がありますので、請求が可能です。

3)(支払督促や少額訴訟、強制執行など)法的措置を講じる

裁判所から正式な書類を送付してもらう「支払督促」、60万円以下の賃料の支払いを請求する「少額訴訟」、相手方の財産を差し押さえる「強制執行」などの法的措置を取ります。

4)明渡請求を行う

賃料の回収が不可能だと判断される場合には、契約を解除し、明渡請求を行います。正しい手続きを取らずに、強引に賃料を回収しようとしてしまうと、逆に訴えられてしまうおそれがあります。法律に基づいて、慎重に進める必要があります。

立ち退き・明け渡し

賃料を滞納したり、周囲と衝突してしまったり、企業として信用とできないといったように何かと問題の多い借主に対しては、立ち退いてもらうことが不動産を経営していく上では重要です。

しかしながら、追い出し屋規制法が制定される可能性が高まるといったように、立ち退きや明け渡しを貸主が行うことには規制が厳しくなる傾向にありますので、注意が必要です。

立ち退きを行う場合には、違法行為に至らないように慎重に迅速に進めて下さい。事態が好転しない場合には、法的な手続きに沿って、問題解決をしなければなりません。いずれの状況にしろ、不動産に詳しい弁護士に相談し、どのように進めるべきかを明確にすることをお薦め致します。。

立ち退き・明け渡しは下記の流れで進めます。

1)現地調査

実際に物件の調査を行い、事実関係を整理します。

2)内容証明郵便の送付

未払い賃料の支払いを求める内容証明郵便を、裁判所から借主に対して書面で送ります。弁護士から書面が届くことで、借主に圧力を掛けることができます。

3)占有移転禁止の仮処分

占有物の所有者を現在の借主で固定するための手続きです。これにより、明け渡し請求から免れるリスクを事前に回避しておくことが可能です。

4)賃料請求・建物明け渡し訴訟

交渉や請求に応じてもらえない、借主が行方不明の場合には、裁判所に訴訟を提起し、判決を求めます。裁判所の判決が出てしまえば、債権の回収がしやすくなります。

5)強制執行

裁判所から判決が出たにも関らず、それらに応じない場合には、強制執行の手続きを取ります。

弁護士に依頼をすることで、借主への立ち退き請求や明け渡しの手続きを代理で行うことができます。借主との面倒な交渉はもちろんですが、専門的な知識を要する法的措置までを一貫して対応することができます。不動産分野の実績が多数ある当事務所にご相談下さい。

不動産売買取引

不動産の売買は取引額が高額であるため、慎重に契約を結ぶ必要があります。不動産の取引の場合、契約書を作成するのが一般的ですが、契約書を作成するといっても、どの点に注意しなければならないのか、ポイントがわからないというケースが多いと思います。ここでは、簡単に不動産の売買契約の際に注意してもらいたいポイントに関して掲載致します。

現地の確認(現地調査・欠陥(瑕疵)の確認)

物件を購入したにも関わらず、既に購入した物件が賃貸されてしまっていて使用できないといったケースは、意外に多いのが実態です。まずは、現地に赴き、賃貸がされていないか、問題がない物件かどうか、ご自身で直接調査しましょう。また、購入した建物に欠陥(瑕疵)があるかどうかの確認も重要です。近年、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」により、請求できる範囲が拡大しており、基本構造部分の瑕疵担保責任を、建物の完成引渡から10年間請求できるようになりました。土地と共に建物の確認も入念に行いましょう。

登記簿の確認

物件の所有者が明記されておりますので、その内容を確認することは重要です。売主がその不動産を所有していたとしても、他の共有者がいる可能性や、抵当権などの制限物権が設定されている可能性がありますので、確認をしましょう。

重要事項説明の確認

不動産は、多くの場合、宅地建物取引業者(宅建業者)から購入しますが、購入する場合、宅建業者の側で、その不動産に関する法定事項(権利の種類や内容等)といった重要事項説明が必要とされています。この重要事項の説明の際に、宅建業者の説明が間違っている場合には、購入を取り消すことが可能となりますので、確認をしましょう。

用途地域の確認

土地には、都市計画法上の用途地域が決められており、用途地域は、住居・商業・工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるものとなります。用地地域は、各地方自治体で販売している都市計画図で確認することができます。

申込証拠金や手付の支払いに関する確認

不動産は高額であり、重要性が高いため、売買契約が安易に解約できないように、申込証拠金や手付金が設定されています。申込証拠金は、購入希望者から販売業者に対し交付することのある金銭のことをさします。これは、購入者の意思確認を行うためだと考えるケースが多いです。手付金ですが、解約手付として使用されるケースが多く、契約を安易に解約できないようにしており、解約する場合には、手付金を支払うことで、解約を了承するという流れになるケースが多いです。

上記のように、不動産売買契約を結ぶ際には、不動産の権利に関して、十分な説明を受ける必要があります。不動産業者や仲介業者はそれらの説明義務がありますので、法的な知識を持たない一般の方でも納得のいくまで説明を求めるべきです。

弁護士に依頼をすることで、売買契約書の作成から契約時の注意点、手続きの進め方に関してアドバイスをさせていただきます。また、実際の法律の専門知識を用いて面倒な手続きを代理で行います。

当事務所は不動産問題を数多く経験した弁護士がおりますので、それぞれの状況に応じた対策を採ることが可能です。

不動産賃貸契約

不動産賃貸契約には、抑えておいた方が良いポイントがありますので、下記に記載致します。不動産は金額も大きく、失敗は許されません。そのため、個別の事案に関しましては、不動産に関する事案の経験が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

契約の更新

契約の更新には、大きく土地に関する契約の更新と建物に関する契約更新がございます。また、賃料の更新も重要な更新の一つと考えられます。

土地賃貸借契約の更新

通常の契約と同様に契約期間が満了した場合、更新するか、しないかが最初の問題となります。更新をする場合、当事者同士で話し合いますが、お互いが納得した上で更新が行われる合意更新と合意がされない上でも更新がされる法定更新がございます。法定更新の場合、建物の有無で大きく状況が異なります。建物がある場合は、貸主が一定期限内に異議を述べない限り、以前と同じ契約内容で更新されます。また、借主が更新を申請しない場合でも、建物がある場合には、貸主が一定期限内に異議を述べない限り、以前と同じ契約内容で更新されます。貸主が更新に対し異議を申し立てる場合には、正当な理由がなければなりません。

建物賃貸借契約の更新

土地賃貸借契約の更新とほぼ同様に、合意更新と法定更新の二種類があります。法定更新の場合、更新の拒絶をするには、6~12ヶ月前に意思表示をする必要があり、更新を条件付きで許可するという場合においても、通知をしなければ、以前と同じ契約内容で更新されます。また、土地賃貸借契約の更新とほぼ同様に、建物がある場合には、貸主が一定期限内に異議を述べない限り、以前と同じ契約内容で更新されます。貸主が更新に対し異議を申し立てる場合には、正当な理由がなければなりません。

賃料の更新(増額・減額)

原則としては、契約の途中の状況で一方的に賃料の増減はできません。しかしながら、当事者間で合意をした場合には、賃料の増減は可能となります。当事者間で、賃料に関して紛争化してしまった場合には、まずは調停を行い、訴訟という流れになります。

敷金の返還

原状回復は賃借人の負担とされているのが一般的ですので、全額が戻ってくることはまずありえませんが、不当に返還額が下げられてしまっているケースが多いですので、低いと感じられた場合には、弁護士にご相談下さい。
不動産に関する契約は、契約条項が多く、複雑であり、トラブルになり易い分野でもあります。なんとなく大丈夫だろうと思って契約をしてしまったら大変なことになったというケースは、少なくありません。もし、不安な点がございましたら、当事務所のように不動産事案の経験豊富な弁護士にご相談下さい。